「わざわざ完成された専用ツールを購入しなくても、有料の生成AIに適切なプロンプトを入力すれば、同じことができるのではないか」
これは、ある程度そのとおりです。
例えば、
- 明細書の数段落を翻訳する
- 一つの請求項を要約する
- OAの一部分を説明させる
- 反論の着眼点を壁打ちする
といった単発のタスクであれば、有料生成AIと適切なプロンプトだけで十分な場合があります。
一方、実際の特許業務では、複数のタスクを順番に処理しなければならないことがあります。
例えば、OA対応では、OA、請求項、複数の引用文献を読み、拒絶理由と各請求項との関係を整理し、引用箇所を確認したうえで、一定の形式にまとめる必要があります。
明細書や翻訳のチェックでも、文書全体を順番に確認し、用語や符号の整合性を保ちながら、結果を記録し、抜け漏れを検査しなければなりません。
生成AIに一つずつ指示すれば、これらの作業も行えます。ただし、そのたびに資料を渡し、指示を繰り返し、進捗を管理し、結果をまとめ、漏れがないかを人が確認する必要があります。
専用ツールの価値は、特別なAIを使うことだけではありません。
複数のタスクを決められた順序で実行し、途中経過を保存し、抜け漏れを検査し、毎回同じ形式で結果を出すことにもあります。
単発の小さな作業なら、生成AIとプロンプトだけで十分かもしれません。
一方、同じ業務を繰り返し、一定の品質と再現性を求めるのであれば、専用ツールを利用する意味が出てきます。