結論からいえば、簡単なものであれば、自分で作ることは可能です。
例えば、
- 入力した請求項を要約する
- 短い英文を翻訳する
- 明細書中の用語の揺れを探す
- AIの回答を決まった形式で表示する
といった、一つのタスクだけを行う試作品なら、生成AIに相談しながら作ることもできます。
しかし、一度動く試作品を作ることと、実務で安心して使えるツールを作ることは、まったく別です。
実務用のツールでは、AIに回答させるだけでなく、
- WordやPDFを正しく読み取る
- 長い文書を適切に分割して処理する
- 複数の資料の関係を保ったまま分析する
- 途中で止まっても続きから再開する
- AIの誤りや抜け漏れを検査する
- 毎回同じ形式でWordなどに出力する
- 機密情報を安全に扱う
といった仕組みも必要になります。
ある資料でうまく動いても、別の資料では読み取りに失敗することがあります。生成AIのモデルや仕様が変わり、それまでの指示では同じ結果が得られなくなることもあります。
そのたびに原因を調べ、修正し、もう一度試す必要があります。
そのため、実務に耐えるツールは、数か月間専念して開発しても、「これで完全に完成した」とはいえない場合があります。実際の案件で使うことによって、初めて見つかる問題も多いからです。
自分でツールを作るのであれば、まずは一つの小さなタスクだけを確実に処理するものから始めるのが現実的です。
作ること自体は可能です。ただし、実務で継続して使える品質にするには、開発だけでなく、検証、修正、保守にも相当な時間が必要です。