生成AIを仕事で使う機会が増えてきました。
では、AIと、これまで使われてきた普通のコンピュータプログラムは、何が違うのでしょうか。
ここで注意したいのは、「これはプログラムにしかできない」「これはAIにしかできない」と、きれいに分けられるわけではないことです。
今のAIは、従来ならプログラムで処理していた仕事の多くも行えます。
違いはむしろ、どちらに任せる方が適切かという点にあります。
明確なルールがある仕事
例えば、特許明細書について、
- 段落番号に抜けや重複がないか
- 図面番号が正しい順序になっているか
- 同じ符号が異なる名称に使われていないか
といったことを確認するとします。
これらはAIでも確認できます。
しかし、確認すべきルールが明確で、毎回同じ基準で漏れなく調べたいのであれば、普通のプログラムの方が適しています。
決められたルールに従って、同じ処理を繰り返すことは、従来型のプログラムが非常に得意だからです。
判断が必要な仕事
一方で、
「この説明は分かりにくくないか」
「この請求項の表現に不自然なところはないか」
「この実施形態の説明で請求項を十分に支えているか」
といった問題は、単純なルールだけで判断することが難しくなります。
文章全体を読み、意味や文脈を考えながら判断する必要があるからです。
こうした仕事では、AIの能力が生きてきます。
AIとプログラムは競争相手ではない
したがって、
AIの方がプログラムより優れている
という話ではありません。
明確なルールで処理できるところはプログラムに任せ、意味や文脈を考える必要があるところはAIに任せる。
実務では、このように両者を組み合わせる方が合理的な場合が多くあります。
AIについて考えるときには、
「AIにできるか」ではなく、「この仕事はAIとプログラムのどちらに任せるのが適切か」
と考えると、その役割の違いが分かりやすくなります。